GBTニュース


Air Monitor 2019: 航空業界の見通しは?
トレンドと分析

iStock_000076962107_Large.jpg


世界経済の見通し


大西洋の両岸で発生した政治的な乱気流により不確実性が増した世界経済は2018年の終わりにかけて乱高下しました。第4四半期にはIMFは2019年の国内総生産見通しを0.2ポイント下方修正し、3.7%としました。
貿易戦争の主な当事国であるアメリカと中国の予想GDPはそれぞれ0.5ポイント下方修正され、アメリカは2.5%、中国は6.2%と予想されています。とりわけ、アルゼンチン、ブラジル、メキシコ、イラン、トルコなどの新興国や開発途上国はIMFが投資と製造の減少を予想しており、貿易成長の鈍化とあいまって、より大きな影響を受けることが予想されます。

現在のグローバル及び政治的な不確実性は2019年のGDP成長に影響を与え、結果として航空運賃の今後の方向性にも影響を及ぼすかもしれません。


航空業界のグローバルトレンド


2019年のトレンドで目新しいものはあまりありませんが、変革が続いているため、企業の出張管理や出張者へ影響が及ぶ場合もあるでしょう。主要な話題には以下が含まれます。

長距離路線・格安航空会社
短距離路線における格安航空会社(LCC)はとりわけヨーロッパとアジアでの航空業界の勢力図を大きく書き換えました。高性能の航空機が開発されたことでLCCが長距離路線にも注目をするようになり、長距離路線のLCCが2012年以降、年に平均3社ほど誕生しています。しかしながら、燃料の高騰と従来の航空会社との激しい競争により収益性については課題を抱えています。

流通とマーチャンダイジング
航空会社は予約者側から見えるコンテンツ表示方法を改善したいと考えています。この進化のひとつがNew Distribution Capability (NDC)と呼ばれるもので、航空会社のコンテンツ流通方法を標準化しようとするIATAの開発した新技術です。NDCの API(アプリケーションプログラミングインターフェイス)を利用することによって、航空会社が提案するサービスや料金のコンテンツを自社でコントロールしやすくなりますが、その一方で、予約者にとっては全ての航空会社の料金を一斉に比較することが難しくなります。NDCは各航空会社のシステム上で動くため、予約クラスや空席残数を他社と比較することができません。NDCを利用する企業は航空会社の提案内容が利用者にとって分かりやすく、また他社との価格比較が行えるようにする方法を検討する必要があります。GDS企業3社は、NDCプロジェクトを立ち上げ、航空会社やTMC(トラベルマネジメントカンパニー)と協力しながら、どのような需要があるのか検討しています。 NDC経由の予約促進のため、GDSなどの間接的な方法を利用した予約に対して追加料金を課す航空会社も出てきました。これにより費用が更に細分化され、追加コストが発生します。出張を管理する側にとっては良いことではありません。 NDCを利用することで、座席の選択や食事、荷物の預け入れなどのアンシラリー料金(訳注:アンシラリー航空料金とは運賃以外に支払う付帯有料サービスのこと)とbundled料金(訳注:航空運賃と付帯サービスをセットにして販売する運賃)を販売することが航空会社にとって簡単になりますが、出張管理者側としては、アンシラリーサービス購入費用を管理し、購入に関する規程を整備することが課題となります。NDCが企業の出張に利用されやすくなるためには段階的な解決策が必要です。TMCは企業出張者に対して追加料金や制約が発生しないよう、航空会社やGDS各社と交渉を続ける必要があります。

オペレーションコストの上昇

航空会社のオペレーションコストは主に燃料価格の高騰により上昇し続けています。昨年ジェット機の燃料価格は約40%上がりました。航空会社は航空機の整備費用と人件費の上昇にも直面しており、特にパイロットは世界的に不足しています。労働に起因した理由によりLCCの拡大が妨げられるかもしれません。
また、コストの高騰により、航空会社の利益が減少し、運賃の値上げまたはアンシラリー航空料金の促進(またはその両方)が必要になるかもしれません。


運賃の細分化

アメリカの主要な航空会社は、格安航空との効率的な競争、収益管理改善のため価格を細分化しています。
長距離路線のLCCが登場したことにより、フルサービスを行う航空会社も国際線における運賃の細分化をするようになり、多くの従来型の航空会社が大西洋横断フライトにおいて、余分なサービスを提供しない運賃を導入しています。


クリティカルマス(訳注:商品やサービスの普及率が一気に跳ね上がる分岐点)に近づくプレミアムエコノミー

長距離路線において、エコノミーから独立した座席クラスとしてヨーロッパでは既に認知されているプレミアムエコノミーは全てのアメリカの従来型の航空会社で採用されています。大きな差額を支払うことなく、エコノミーとビジネスの間の少し快適な選択肢として旅行者に人気が出ていますが、プレミアムエコノミーの利用を規程に盛り込んでいる企業はまだ少ない状況です。


原文をご覧になりたい場合は、こちらにアクセスいただき、お名前、国名、メールアドレスを入力いただくと、ダウンロードが可能になります。


お問い合わせ先

お問い合わせ