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出張再開後のトレンド:
2021年に出張管理者が注目すべきこととは?

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出張が再開されると、サプライヤーとの関係再構築や出張による環境負荷の軽減など、出張プログラムを見直す機会が訪れます。アメリカンエキスプレス・グローバルビジネストラベル(GBT)のグローバルビジネスコンサルティング(GBC)チームは、お客様の出張プログラムの最適化を支援しています。ここでは、GBCのコンサルタントが、出張が再開し始めた時、どのような主要なトレンドが現れ、それが出張管理者にとってどのような意味を持つかを探ります。



目次





航空:健康(ヘルス)パスポートと出張プログラム

健康(ヘルス)パスポートは、旅行の再開に役立つものですが、適切に行わなければ混乱をを引き起こす可能性があります。

ジェレミー・クエック(部門長、グローバルエアプラクティスラインリード)

国境を越える旅行の再開に欠かせない健康パスポートは、技術と政府の基準が首尾一貫することで効果が出るでしょう。


2020年には、検疫の問題を解決し、特に古くからの貿易相手国や歴史的な文化的関係が存在する国との国境を再開するために、空の回廊(別名「エアバブル」)が必要だと考えられていました。しかし、政府や航空会社は、旅行者が国境を越える前に、COVID-19の陰性検査やワクチン接種の証明を求めるようになってきており、デジタル健康パスポートが世界を再び動かす鍵となりつつあります。


デジタルヘルスウォレットはすでに数十種類存在しており、毎週のように新しいプラットフォームが登場しています。GBTは、国際航空運送協会のTravel Pass、VeriFLY、CommonPassという3つの主要プレイヤーと協議しており、信頼性、セキュリティ、複数の航空会社や管轄区域をまたぐポータビリティ(訳注:携帯性、簡単に持ち運びできること)という観点から、出張者のニーズを伝えてきました。


現在さまざまな健康パスポートシステムが運用されている中、トラベルエコシステムで人々がシームレスに移動するためには、一貫した相互運用可能な技術基準が必要です。このことは、旅行者のデータを保存・利用・転送及び処理する、安全かつプライバシー規程を遵守しながら運用する方法について、各国政府が合意する必要があるということを意味します。


今あるこれらのヘルスウォレットはまだ初期段階にあるため、事業を行うすべての管轄区域の要件を満たすアプリをひとつに絞るのは時期尚早で、現在各企業は、ひとつのヘルスウォレットに決定する前に様子見をしている段階です。それまでの期間、出張者や出張管理者はGBT の Travel Vitals™ のようなツールを利用することで、最新の旅行要件を把握し、フライトに搭乗する際に健康パスポート(及びその提供元)が必要かどうか確認するのに役立ちます。





2021年のホテルプログラムソーシング

ホテルのソーシングの際は、長期的な視点を持つこと

ニーナ・マルチェロ(部門長、グローバルホテルプラクティスリード)

ホテルソーシングは、これまでとはまったく異なるゲームになりました。新しいルールとはどのようなものでしょうか?


ホテル業界は非常に大きな影響を受けており、通常より大幅に少ないキャパシティで運営し、過去最低の稼働率を記録しています。特にゲストルームの利用後に一定時間空室とする必要がある場合など、ホテルは清掃手順に関連した追加コストを負担しています。客室1室あたりの収益が減少しているため、ホテルは収益を維持するために他の方法を考えなければなりません。例えば、企業のオフィススペースの延長としてミーティングスペースを提供するなどの方法があります。


バイヤーは、この状況を見て、ソーシング戦略を見直す絶好の機会と考えるかもしれませんが、それが当てはまるのは、十分なボリュームがある場合だけです。多くのホテルは(現在)RFPに対応するスタッフがいませんし、月に40泊しか予約しないという計画の企業をホテル側も相手にしてくれません。


必要な部屋を適切な料金で確保するためには、バイヤーは長期的な視点を持つ必要があります。今日の流動的な環境におけるソーシングは、継続的なプロセスだと考えましょう。単純に今の料金をそのまま延長、または固定して、後は忘れ去ってしまってはいけません。ボリュームの戻りを注意深く見ておき、ホテルとの良好な関係を維持し、また、重要なパートナーと定期的に会話をすることで、出張が再開されたときにどのようなサポートが必要かを理解してもらいます。また、料金管理の一環として、バイヤーは、市場のベストレートが交渉レートよりも低い場合には、ベストレートからパーセンテージで割引を受けられるようにし、旅行管理会社(TMC)のレートやリショッピングツール(訳注:購入時より安いレートの商品が出た場合に自動で知らせるツール)などの手段を活用する必要があります。






2021年の地上交通ソーシング

テクノロジーが地上交通を変え続ける

セシリア・カルス(ドイツチームリード)
スーザン・オースティン(プリンシパル)

テクノロジーの進歩によって、地上交通機関は、よりパーソナライズされた持続可能な旅行の選択肢を提供できるようになりました。


車は地上交通の代名詞のようなものです。パンデミック中は、レンタカーの利用も減少しましたが、飛行機と比べるとその程度ははるかに小さいものでした。企業や旅行者にとって、自動車は比較的安全な乗り物であり、他の交通手段に比べて露出が限定的で、プライバシーが確保されていると考えられています。アプリを使ったタッチレスシステムの普及により、さらに安心感が増しています。リモートワークの増加に対応するため、北米のレンタカー業者は、在宅勤務者にとって便利な郊外に拠点を開設しています。


サステナビリティ(持続可能性)は、特にヨーロッパにおいて重要なテーマとなっています。パンデミックの影響を受けていない企業、例えば、化学メーカーや製薬会社は、ハイブリッド車や電気自動車を導入するなど、環境に配慮した取り組みを続けています。少なくともGBTのクライアントの中には、2025年までにカーボンニュートラル(訳注:温室効果ガスの排出を実質ゼロにする)の達成を目指している企業があります。しかし、多くの企業は、より環境に優しく、多くの場合より高価である車両に移行する計画を延期しています。


二酸化炭素排出量を削減するために、鉄道への注目が高まっています。コロナ前には、鉄道は飛行機の5倍のコストがかかると言われていました。航空会社が便数を減らし、需要が回復すると運賃が上がる可能性があるため、鉄道はコスト面での競争力を高めています。また、鉄道の可視性も高まっています。最新のオンライン予約ツールを使えば、旅行者は各交通手段の排出量への影響を簡単に比較することができます。


今後数ヶ月のうちに、企業の出張用MaaS(訳注:Mobility-as-a-Serviceの略語で、情報通信技術を活用してマイカー以外の移動をシームレスにつなぐ技術)プラットフォームが主流になると思われます。 地上交通手段を単一の使いやすいプラットフォームに統合したMaaSは、旅行者に利便性と簡便性を提供します。企業にとっては、予約の漏れを防ぎ、出張者の安全を確保し、出張・経費管理を簡素化することが可能です。GBTのクライアントの中には、独自のMaaSプラットフォームを構築している企業もあれば、Mozioのようなホワイトラベル(訳注:ある企業が生産した製品を、他の企業が自社のブランドを使って販売すること)のオプションを採用している企業もあります。どのようなアプローチであっても、まず最初のステップとして、企業は地上交通調達の責任を単一の部門に集中させる必要があり、それが統合プロセスを導くことになります。






現代の出張プログラムを最適化する:地球環境

出張管理部門がリードするサステナビリティ

エドワード・ハント(コンサルタント)

10年前に起こった金融危機によって、サステナビリティは企業の課題から外されました。対照的に、パンデミック状況下では、GBT のお客様の多くがサステナビリティへの注力を強化しています。


サステナビリティは、戦略的なビジネス課題であり、長期的な価値の源泉であると認識されつつあります。2020年初頭に人の移動が遮断されたとき、出張管理者は出張者を安全に帰宅させることと出張規程を見直しすることを優先しました。状況が落ち着いたところで、GBT の先進的なクライアントは、出張が企業のサステナビリティ戦略にどのように貢献できるかを考えるようになりました。彼らはサステナビリティが追加的なオプションではなく、出張管理に不可欠なものであることを理解しています。


多くの企業は、「より良い環境を取り戻す」ために(コロナの影響による)停滞状況を活用しています。企業のESGチームは、すでに出張者のリーダー的存在に自らの役割を果たすようプレッシャーをかけています。偶然にも、出張者が「その場所に存在していることの力」を再び実感するための最初の一歩を踏み出すとき、出張管理者もかつてないほどの注目を浴びることになるでしょう。


出張管理者は、この機会をどのように活用するかを検討しています。Chatter のようなコラボレーションプラットフォームを利用して、サステナビリティに関する取り組みを出張者と共同で推進する計画をしている企業もあります。また、彼らは一般に公開されている基本的な測定値よりも詳細でしっかりとしたカーボンフットプリント(訳注:二酸化炭素排出量)のデータセットに対してすでに投資していて、関係者にデータの信頼性を示しています。また、TMC(出張管理会社)と協力して、予約オンラインツールを改善することで、出張者が環境への負荷を考慮して選択できるようにしています。


このような状況は、出張に関連した人々の求めるものがかつてないほど変化していることを意味しますが、出張管理者にとっては、組織内でリーダーシップを発揮する機会となります。






現代の出張プログラムを最適化する:ウェルビーイング(福利厚生・幸福)

出張の再開に向けて出張者のウェルビーイングをサポート

シスカ・テューニス(シニアコンサルタント)
サラ-ジェーン・テンペスト(アジア太平洋地域トラベルプログラムマネージャーリード)

従業員は以前のような出張パターンに戻りたくないかもしれません。出張管理者は、そのような従業員をサポートする準備が必要です。


人々の移動が制限される以前から、企業は頻繁な出張が従業員の幸福度に大きな影響を与えることを理解するようになっていましたが、それは良い面もあれば悪い面もありました。出張者は、自宅で仕事をしている間に、出張や出張がないことが自分にどのような影響を与えているかを振り返る機会があったはずです。


効果的なワクチンの出現により、出張の再開は「もし」ではなく「いつ」という問題になっています。つまり、今こそ出張管理者は従業員にアンケートを取り、彼らの出張に対する思いを確認し、なぜ出張が必要なのかを理解する必要があります。


その次に、出張管理者は、頻繁に出張をする従業員の幸福度をどのようにサポートするのが最適かを考える必要があります。職務内容や在職期間などの人事データと出張データを組み合わせることで、出張管理者は出張が個人に与える影響を深く理解することができます。このような洞察力があれば、極度に疲労している可能性がある出張者を特定し、出張の快適性の向上や、長距離の夜間飛行の影響を考慮した「タイム・フォー・タイム補償(訳注:時間による補償)」など、出張者の労働環境を適切に改善することができます。このような取り組みは、パンデミックが終息して出張が再開されたときに、従業員の幸福を守るために不可欠なものとなるでしょう。




現代の出張プログラムを最適化する:コミュニケーションとエンゲージメント(参加)

出張者のエンゲージメントはこれまで以上に重要になっています

ジェニファー・プラット(主任コンサルタント)

今こそ、エンゲージメントを再構築し、強化する時です


出張者に情報を提供し、影響を与え、コンプライアンスを推進するために、出張者のエンゲージメントがいかに効果的であるかを理解する企業が増えています。エンゲージメントは双方向のプロセスであり、聞くことと伝えることの両方が必要です。しかし、パンデミックの際には、多くの企業が出張を推進したくないと考え、出張者とのコミュニケーションを事実上中止しました。


しかし、コミュニケーションをやめて良い時などありません。旅行が制限されている間も、企業は出張者とのオープンな対話を続けてください。では、旅程や目的地について話すことができないとき、何を話せばいいのでしょうか?GBTでは、従業員がパンデミック中に旅行した体験談をソーシャルメディアで共有しています。クライアントの企業でも、従業員との対話を続けるために想像力を働かせた方法を試みています。ある企業の出張管理チームは、自社のソーシャルチャンネルでウェルネスキャンペーンを展開しています。このようなキャンペーンは、従業員のエンゲージメントを高めるだけでなく、ビジネスとレジャー両方に関するサプライヤーを紹介することで、従業員の福利厚生への注力とも調和します。


そして何よりも、今こそ企業は出張の再開に備えてエンゲージメントチャネルを最適化する必要があります。出張の再開が間近に迫ると、出張者からの問い合わせが急増します。ほとんどの人が最後に出張に出てから何ヶ月も経っており、ある意味、誰もが新しい出張者となります。頻繁に出張していた人でも、出張を再開することに不安を感じているかもしれません。


出張管理者は、出張者がどこで情報を得られるかきちんと知っていることを確認し、あらゆる手段を利用して規程の変更点を従業員に通知できるように、今すぐ行動を起こすべきです。その第一歩として、オンライン予約ツールやイントラネットのページなど、主要なコミュニケーションツールを見直す必要があるでしょう。出張者はどのような手段を利用し、どれが価値があると感じているでしょうか?






現代の出張プログラムを最適化する:出張規程

最新の旅行事情に合わせた規程の更新

フレイジャ・ドンカースルート(グローバルプログラムオプティマイゼーションプラクティスラインリード)
マルセル・ファン・ゴール(ベネルクス担当)

パンデミックは、サプライヤーとの関係性から出張体験、出張の安全性、出張者のエンゲージメント、サステナビリティまで、出張全体に大きな変化をもたらしました。それはつまり、出張規程も変わらなければならないということです。


パンデミックの間、規程は、主に企業が出張者の行動に制限を加えることによって、出張者の安全のために重要な役割を果たしてきました。今後出張の再開を目前にして、規程は中心的な役割を果たすことになるでしょう。出張管理者は、需要を管理し、出張者のニーズをサポートするために、規程を適応させる準備を今からしておく必要があります。そのためには、出張者の安全ガイドラインを見直し、代替手段を提供し、出張の重要度を定義する必要があります。


規程集やオンライン予約ツールに記載されている出張の理由を再評価し、更新することが重要な焦点となります。2020年3月以降、出張は主として「ビジネスクリティカル(業務上不可欠)」なものに限定されています。しかし、多くの組織では、「ビジネスクリティカル」が何を意味するのか、統一された定義がありません。全社的に単一の定義に合意し、これを出張理由コードや改定された規程のガイドラインに組み込むことで、企業は安全かつ持続可能な方法で出張費を最適化したり、可能な場合は代替案を奨励したりすることができます。またこのような取り組みを行う中で、「社内会議」や「顧客との会議」など、従来の曖昧な定義を整理することもできます。


承認は、もう一つの注目すべき優先項目です:出張者の安全確保、指定サプライヤーの利用促進、許容可能な出張を管理するために、承認は重要なチェックポイントです。出張管理者は、承認に関する規程を見直し、必要に応じて承認プロセスを再構築する必要があります。


出張者の安全とコスト管理は引き続き最重要事項ですが、出張管理者は、サステナビリティや出張者のウェルビーイング(身体的な健康と安全、そして心の健康両方を含む)などのトピックを含めるよう規程を拡大することを検討すべきです。これらのテーマは出張者の共感を呼ぶものであり、出張プログラムに取り入れることで、規程遵守の向上につながります。


出張管理分野における今年の7つのトレンドについて詳しくお伝えするために、2021年3月18日に行われたGBCの2人のディレクター、ジェームズ・ラニーとフィリップ・ヘクセインによる特別ウェビナーをまとめました。
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