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出張規程違反:出張管理者を悩ませる規程違反の解決方法とは?

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あなたの会社には、常に規程違反をする出張者はいますか?オンラインの予約ツールを使ってホテルの予約してくれないでしょうか?出張規程の違反件数が多くてがっかりしていますか?同じような状況で苦労している出張管理者は、世界中にたくさんいます。American Express Global Business Travelがドイツのリサーチ会社であるGfKと協力して行った国際的な調査でも証明されているように、出張規程違反は世界中の出張管理者を悩ます問題です。

アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、オーストラリア、シンガポール、インドの出張者を対象に行われた国際調査結果『Traveler 360°』を読んでいただくと世界中の出張者の状況が分かります。アメリカ以外の国ではどの国でも大多数の出張者が規程違反をしていることが分かりました。最も少ないアメリカでも、規程違反をしている人は40%に上ります。

規程違反はなぜ多く起きているのでしょうか?


出張者が規程に従わない理由は大きく2つの要因に分けることができます:施設のロケーションと個人的な幸福/満足度(ウェル・ビーイング)です。大多数の出張者は、「会議や仕事上のイベントが行われる場所に近いところ、便利な場所、または安全な場所に位置している宿泊施設であれば、規程外の宿泊施設でも問題ない」と主張しています(出張管理者は規程違反をする理由を確認するアンケートを行うと良いかもしれません)。

その他にも出張者は「規程違反の高級ホテルに宿泊した理由や、自分の好きな航空会社に乗った理由も全く問題ない」と言っています。このような状況は、出張管理者が出張者の持っている間違った認識を変えるために努力をしなくてはならないということを意味しています。

出張管理者はどのように出張者の間違った認識を変えることができるでしょうか?



最初にできることは、既存の規程について詳しく知ってもらうことです。

調査結果によると、アメリカ、イギリス、フランス、オーストラリアの出張者の約4分の1は自社の出張・精算規程について「極めて詳しい」「とても詳しい」以外の選択肢を回答しており、出張者側の意識が低いことが伺えます。

調査対象の7カ国中、シンガポールの出張者は規程に対する意識が最も低いですが(「極めて詳しい」、「とても詳しい」と回答したのは60%のみ)、この調査結果は驚きではありません。というのは、シンガポールは規程に沿わずに予約している最たる国で、規程に沿って予約をしているのは21%のみだからです。

会社の出張・精算規程について「極めて詳しい」と回答した出張者は、「とても詳しい」または「少し詳しい」と回答した出張者に比べ、規程に忠実に従っている傾向があります。こうしたことから、社員に対して規程内容や会社が期待していることについて教育することが規程に沿った予約を促すためには重要です。

興味深い結果がでているのはインドです。出張規程については最も詳しいという結果が出ていますが(90%が「極めて詳しい」または「非常に詳しい」と回答)、インドは規程違反の多いワーストスリーの国のひとつで、「常に規程内で予約をしている」と回答したのは34%です。これは21%のシンガポールと33%のドイツに次ぐ低い順位です。なぜそのようなことが起きるのでしょうか?恐らくインドの出張規程がゆるくできているせいでしょう。実際に、インドの出張者のうち53%の人がガイドラインを「ゆるい」と回答しています。

逆にアメリカでは74%が出張規程を「厳しい」と回答しています。これは7カ国のうち一番高い数値で、彼らは常に規程内で出張しています。厳しさと規程内出張の関連性は他の国にも当てはまります。インドは例外として、出張規程を厳しいと回答した出張者は規程内で出張する傾向があります。

調査結果によると、特にシンガポールとインドの出張者については、出張で削減した費用の一定の割合を追加の有給休暇や報償ポイントなどのインセンティブを与えることで、規程内の出張を促すことができるかも知れません。逆に言うと、彼らはインセンティブが無いと従わない傾向にあります。程度の差はありますが、イギリス、フランス、ドイツ、オーストリアでも「インセンティブは効果がある」と回答しています。アメリカ人の3分の1は「インセンティブが必要ない」と回答しています。

出張規程違反というパズルを構成するひとつのピースは、規程が出張者にどれくらい理解されているか(むしろされていないか)という点です。ほとんどの国の回答者が、彼らの会社は「出張と精算申請について明確な規程がない」とこたえています。その数値はフランスでは59%、ドイツでは58%に上ります。アメリカは数値が大分異なり、規程が明確でないと答えたのは21%です。

規程に対する理解を高めるために、出張管理者は規程のどの部分があいまいなのかについて出張者から意見を集め、必要に応じた変更を行うと良いでしょう。

出張承認者の力


規程内出張を促すもうひとつの要因は出張承認者です。調査によると7カ国全ての国において出張者は旅程や精算申請またはその両方について、出張承認者の承認を得なければならないだけでなく、アメリカを除く全ての国における4分の3以上の出張者は、承認者を手本として同じ行動を取るという結果が出ています。出張承認者は通常部門長ですが、ブリージャー(出張中に個人の休暇をはさみこむこと)を取得したり、出張を楽しんだり、旅費を削減したりする行動において出張者へ影響を与えているのです。

出張承認者が出張者に大きな影響を与えるということは、出張管理者にとって出張承認者は規程に従った出張を促すための味方になりえるということを意味しています。

まとめ


調査の結果をもとに規程内の出張を促す以下の方法を提案します。

・「規程に従わなくても良い」という出張者の間違った認識を明らかにし、正しくする
・出張者が規程に「極めて詳しく」なるための教育をする
・出張規程がゆるいのか厳しいのか見極め、厳しい方向に変える
・出張者とともに規程を確認し、あいまいな表現やルールから従いやすいシンプルなものに変える
・出張承認者から規程に従うようメッセージを伝えてもらう

最後に、規程違反は世界共通して見られますが、克服するための方法はそれぞれです。出張者の反応は国によって違うため、出張管理者が戦略を考える際は、文化的な違いを考慮しましょう。

『Traveler 360°』全文をご覧になる場合は、こちらのリンクからフォームにご記入いただき、ダウンロードください。


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